慢性静脈障害
フランスでは、2200万人が「慢性静脈障害」を患っています。この静脈の疾患は、静脈の緊張度の不足が原因で、脚から心臓への還流が正しく行われないために生じます。不快な脚のだるさをもたらし、浮腫や、さらに症状が進めば静脈瘤や皮膚疾患を引き起こします。弾性ストッキングの着用は、この疾患の基本的な治療法となっています。
血液の体内循環では、心臓の収縮に伴い動脈を通って体内の全器官に送り出された血液は、静脈を通って体の末端から心臓まで戻ります。足の先端に達した血液は、重力に逆らって上昇していかなければなりません。そこで登場するのが「静脈ポンプ」です。このシステムは、呼吸や、地面に立つ足裏にかかる圧力、ふくらはぎの収縮、そして血液が逆流するのを防ぐ静脈内側の弁の働きによって作動します。
脚のだるさから、より重症な静脈性潰瘍まで
静脈疾患になると、上記のポンプのシステムが十分な効果を発揮せず、静脈弁の緊張度も低下します。脚で血液がうっ滞し、一日の終わりには足のしびれやむくみを伴う「脚のだるさ」を感じるようになる他、疲れやすくなります。 CEAP分類に従って疾患が悪化するにつれ、その他の症状も加わります。
- CO:「脚のだるさ」
- C1 - C2:目に見える小さな赤い静脈(毛細血管拡張症) / 静脈瘤
- C3:浮腫(むくみ)
- C4:皮膚の色素沈着、湿疹 / 皮膚の肥厚、白い斑点
- C5 – C6:治癒済み / 治癒済みでない静脈性潰瘍
非常に一般的なこの慢性疾患を患っているのは、主に女性です。遺伝的要素、座りがちな生活、肥満、妊娠などによってかかりやすく、足の血行を妨げるきつい服の着用などもその原因となります。
どのような治療法?
C2段階にある慢性静脈障害の基本的な治療法としては、弾性包帯や弾性ストッキングにより静脈を圧迫する方法があります。圧迫により、浮腫、静脈の容積、逆流を低減するとともに静脈の血流を加速し、微小循環を改善します。また、潰瘍も予防します。初期の症状が見られた段階で、できるだけ脚を高くしておいたり、定期的に歩行したりする他、太りすぎに気を付け、床暖房や長時間の日光浴を避けることが推奨されます。静脈瘤は手術で治療する場合もあります。
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