足関節
足関節の損傷(捻挫)はよくある怪我です。フランスでは毎日6000件の症例が報告されています。 この最も一般的な怪我のほかに、骨折や炎症、特にアキレス腱の炎症なども足関節に起こりうる外傷です。まれに、変形性関節症の病巣部になることがあります。
足関節は、脚と足をつなぐ関節で、脛骨、腓骨、距骨の3つの骨で形成され、これを囲む線維膜や靭帯(内側、外側)、アキレス腱(伸筋、屈筋)によって動きを作り、関節を安定させています。
最も頻度の高い外傷:足関節の損傷
足関節損傷 は、関節の靭帯、主に外側側副靭帯の伸張または断裂によって起こります。スポーツによる損傷が全体の50%を占めています[1]。激しい痛みとともに「グキッ」というような音がし、踝のあたりがすぐに腫れてきます。足関節損傷は、靭帯の伸張を伴う軽度のものから、重度に分類される完全な靱帯断裂(骨折を伴う、あるいは伴わない)まであります。治療法は、患肢挙上により安静を保つ、アイシング、弾性包帯の着用、鎮痛剤の使用、および歩行時の杖の使用などです。1~3週間の間はスプリントや歩行用ブーツで足関節を固定する必要があります。リハビリテーションと復帰の際は、理学療法と足首固定装具の使用が推奨されます。骨折を伴う場合は、外科手術、ギプスや歩行用ブーツなどの装具による強固な固定が必要です。
アキレス腱炎およびアキレス腱断裂
アキレス腱炎は、ふくらはぎとかかとの間にある筋肉の腱の炎症で、この部分に繰り返しあるいは過度に運動負荷がかかることが原因です。症例の70%が40~75歳の男性のスポーツ選手で、トレーニングの初めや運動後にかかとに痛みが生じます。治療法としては、安静、アイシングをはじめ、腱部への負荷を緩和するヒールパッドまたは足首固定装具の着用があります。アキレス腱断裂は、腱部にきわめて強い運動負荷がかかった場合に起こります。断裂した時の音を自覚することもあり、激しい痛みで地面に足をつけられないような状態です。縫合手術で患部を修復し、治癒までしっかり固定して動かないように歩行用ブーツを着用することがしばしば必要です。
変形性足関節症
足関節の軟骨の摩耗は、外傷歴や足の変形などが原因で起こりやすくなります。変形性関節症は、歩行時の痛みや、こわばったような感じが特徴です。治療法としては、過体重の場合はダイエット、抗炎症剤や鎮痛剤の使用、理学療法、足底板の使用などがあります。