肩関節

肩関節は、比較的単純で可動性が高く、不安定な関節です。肩の障害は、外傷や摩耗を含め、関節、腱部、または神経に発症し、特に運動選手において多く見られます。

 

肩関節は肩甲上腕関節(肩甲骨と上腕骨の間)と肩鎖関節(鎖骨と肩峰の間)からなり、上腕骨上部で複数の筋肉の腱が「回旋筋腱板」を構成しています。

肩関節の外傷性疾患

コンタクトスポーツやバイク・自転車事故などで起こる強い衝撃や転倒などが原因です。肩鎖関節の損傷は、肩峰靭帯が部分的に傷んだ状態です。臼は関節面(通常関節窩上腕関節)の接触が突然失われた状態で、靭帯、腱、関節包の部分に損傷を与えます。若いスポーツ選手に多く見られ、転倒して地面に強く手を付いてしまったときなどに起こります。関節の位置関係(脱臼)を元に戻すための整復を迅速に行うことが必要です。骨折は、若い人の場合鎖骨、年配の患者では上腕骨が多く、肩の変形や血腫を伴うことがあります。

いずれの場合も痛みがあり、動きが制限されます。安静にして、抗炎症剤の使用や数週間にわたる肩関節の固定(「吊包帯」)により治療します。場合によっては手術が必要になることもあります。固定を行った後、硬直を防ぐため経過に合わせて早期にリハビリテーションを行うことも重要です。

炎症性疾患および変性疾患

肩関節はそのほかに、腱板炎などの炎症が起こることもあります。これは、肩峰と腱が擦れ合って起こるもので、痛みで睡眠が妨げられ、動きが制限されます。

肩関節の構成要素は、加齢、スポーツによる微小外傷の蓄積、反復的な動きになどによって損傷を受ける可能性があります。変形性肩関節症は、上腕骨頭(場合によっては肩甲骨)の軟骨の損傷で、痛みやこわばり、動かすと音がするなどの症状が特徴です。

肩腱板断裂は腱板のいずれかの腱が切れた状態を指します。激しい痛みを伴い、腕に力が入らなくなります。 

治療には、鎮痛剤や抗炎症剤の使用、および理学療法などが含まれます。